本当に悪者?体内でのコレステロールの役割

【この内容は2025年6月3日の運動教室で講義したものです。】

コレステロールと聞くと、なぜか悪者と決めつけてしまいがち。買い物に行ってもコレステロールオフの商品が並びテレビでもコレステロールを下げましょう。という番組が多いです。
しかし、健康診断でコレステロールの値を気にする人は多いですが、コレステロールが体内でどんな役割を果たしているのか知っている人は少ないんじゃないでしょうか?今回はコレステロールの体内での大切な役割を紹介していきます。

コレステロールってそもそも何者?

コレステロールとは、細胞膜やホルモン、胆汁酸などの材料となる体内で重要な役割を担う脂質の一種です。
本来水に溶けない性質の脂をアポタンパク質というタンパク質と合体させ血中に流せるようにしたものがコレステロールです。

コレステロールは細胞膜やホルモン、胆汁酸などの材料になるだけではなく、他にも神経細胞の形成とか神経細胞間の情報伝達(シナプス伝達)にも必要不可欠なものなの。だからコレステロールが不足すると、ミエリン鞘の異常や神経細胞の障害などが起こって、神経疾患のリスクを高める可能性があります。

HDLコレステロールが低い場合の注意点:

  • 動脈硬化のリスク:HDLコレステロールは、血管壁にたまったコレステロールを回収する役割があるため、HDLコレステロールが低いと、LDLコレステロールが血管壁に蓄積しやすくなり、動脈硬化のリスクが高まります。
  • 冠動脈疾患のリスク:HDLコレステロール値が40mg/dL未満になると、心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患の発症リスクが急上昇すると言われています。
  • 認知症のリスク:HDLコレステロールが低すぎると、認知症のリスクが高まるとも言われています。

LDLコレステロールが低い場合の注意点:

  • 免疫機能の低下:LDLコレステロールは、細胞膜やビタミンK、ホルモンなどの材料になるため、LDLコレステロールが低すぎると、総コレステロールも減少し、免疫機能が低下する可能性があります。
  • 細胞膜の弱体化:LDLコレステロールが低すぎると、細胞膜が弱くなる可能性も指摘されています。

細胞膜が弱くなるとどうなる?

悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールですが、LDLコレステロールが低すぎると細胞膜が弱くなる可能性が指摘されています。
細胞膜が弱いと、酸素や栄養素の取り込み、老廃物の排出、情報伝達などの細胞の機能が正常に働かなくなり、細胞の健康を損ねる可能性があります。細胞膜の構成成分であるリン脂質やコレステロールが不足すると、細胞膜が弱くなり、ウイルスや化学物質の侵入を受けやすくなります。また、細胞内の物質の出入りがスムーズに行われなくなり、代謝やホルモン合成の低下、老廃物の蓄積などを招くことがあります。

胆汁酸の分泌が悪くなると、どうなる?

コレステロールから作られる胆汁酸は、食事によって小腸に分泌され、脂肪を乳化して消化吸収を促進します。そして、大部分は小腸から再吸収され、肝臓に戻って再利用されます(腸肝循環)。
胆汁酸は、脂肪の消化吸収だけでなく、コレステロールの代謝や、腸内細菌のバランス維持にも関わっています。
つまり、胆汁酸の分泌が悪くなると脂質代謝がうまく行われず、体内のコレステロールの調整が難しくなってしまいます。

コレステロールが神経に及ぼす影響って?

コレステロール不足は、うつ症状や認知機能の低下、そして脳神経系の疾患のリスクを高める可能性があります。また、末梢神経の障害や、脳出血のリスク増加も懸念されます。コレステロールは細胞膜の主要な構成成分であり、神経伝達物質の合成にも関わっているため、その不足は神経系の機能に影響を与えます。
よく元気な高齢者はステーキを食べていると聞いたことはないでしょうか?歳を重ねると脂が重たくてあまり食べないようになって行きますが、コレステロールを作り出すという点では食べることも大切です。

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