
具体的な症状
数年前から膝痛を抱えていて病院で変形性膝関節症と診断を受けた。
最初は階段の上り下りや正座ができないといった痛みがあったが、徐々に歩くだけでも膝が痛くなり、膝に水が溜まるようになって行った。抗炎症薬や痛み止め、サポーター、リハビリなどで症状を抑えてきたが、いよいよ辛くなってきたので手術を勧められたタイミングで、もし手術をしなくても改善できる望みがあるならと思い来られた。
所見とアプローチ
左足をかばうように歩いて来られた。長年膝をかばってきたことから全体的な姿勢が崩れてバランスが悪くなっている。さらに筋力の低下も見られる。
膝の炎症で水が溜まっており動かしずらく膝も曲げにくい状態と、仰向けに寝た時に膝が曲がっていて伸ばせないほどに筋肉が硬くなり癒着していた。
まず、大腿筋膜張筋を緩めることから始め腿外側の硬さを取り除いていった。次に内もも、大腿四頭筋と緩めていくと脚を動かしやすくなっていった。
その後膝裏、ふくらはぎ、足と膝下の筋肉を順番に施術していくと膝の動きがスムーズになっていったので一度歩いてみてもらったら、まだ痛みはのこるものの左足を使って歩くことが可能になった。最後に首の調整を行って、しゃがむ動作のテストをすると、こちらもクリアできた。
3日後に再度来ていただいたところ、膝の水も抜けてきていることが確認できた。まだ炎症が残っているため痛みはあるものの以前より楽に生活ができている様子だったので、前回と同様の施術を行う。
その後は週1回のペースで2ヵ月の計8回施術を行った。
その間、徐々に軽い運動ができるようになっていたのでプールに通うようになり筋力も回復していっている様子がうかがえた。今は月1度のペースで施術を行い、運動教室にも週1回通って膝の調子は良好。運動教室では軽いジャンプやスクワッドなどの運動を楽しそうに行っている。
主原因となっていた筋肉
【大腿四頭筋・大腿筋膜張筋】


これらの筋肉群は腿を通り膝下に付着している大きな筋肉です。特に大腿筋膜張筋~腸脛靭帯が今回の膝痛の炎症に大きくかかわっていました。
腸脛靱帯は 骨盤の外側にある「大腿筋膜張筋から始まり、大腿骨の外側を通って、膝下の脛骨まで伸びる長い靱帯です。 「気をつけ」の姿勢をとった時に、ちょうど中指が触れる部分にあたります。ここが硬くなることで膝の痛みになる場合があります。
【殿筋群】

ハムストリングスと呼ばれるもも裏の筋肉は骨盤と繋がっていて、この筋肉が硬いと骨盤が引っ張られて、前かがみになった時に腰に負担がかかります。これも、今回のように中腰やしゃがんだ状態の姿勢を長時間続けたことで筋肉が固まり骨盤が動きにくくなったところで、遠くの草を取ろうと無理に引き延ばした結果、腰の怪我につながったと考えられます。
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