みんなの症例【肩痛(五十肩)】❝肩が痛くて腕を上に挙げられない❞

具体的な症状

2か月くらい前に庭の木を切った後くらいから右肩にズキっとくるような違和感を覚えたのが最初で、その後だんだんと着替えたり、手を伸ばして駐車券を取ったりするときにも痛みを感じるようになった。

そして、先月当たりから腕が水平以上、うえに挙がらなくなっていることに気が付き整形外科を受診したところレントゲンには異常が見られなかったが五十肩と診断された。痛み止めと湿布薬をもらいリハビリに通っていたが、リハビリをしたその日は若干の痛みはあるものの多少は肩も動くようにはなったが翌日には元に戻っているというような日々で、なかなか改善が見られないので知人の紹介から、こちらを訪ねてこられた。

所見とアプローチ

木の剪定作業で上に手を上げていたことが五十肩を引き起こした原因ではないか?と原因になった動作に明確な証言があったため、棘下筋と大円筋を刺激しながら腕をあげてもらうと肩に痛みを感じずに上げることができた。さらに肩甲挙筋を圧迫すると痛みのある肩に関連痛が見られたので、まずは、これらの筋肉に対して施術を行ったところ可動域と痛みの改善があった。

1週間後、可動域は保ったまま、痛みも初回の施術前に比べると少なくなっていることが確認できたため、2回目は前回同様の施術と、腕を上に挙げる動作の妨げになっていると考えられる広背筋、前鋸筋、胸筋群の施術を行ったところ、さらに可動域は改善し痛みも初回の1/3ほどになった。

さらに1週間後、可動域と痛みの両方の改善が見られたので、さらに細かい筋肉の調整に入る。その後3回の施術でほぼ可動域が戻ったので終了した。

主原因となっていた筋肉

【首筋群】

首まわりの筋肉に異常があると腕が耳の方向に近づきづらくなったり、肩甲骨が外側に動く際に痛みを発することがある。

【ローテーターカフ】

肩関節は強い靭帯を持たないため可動域が広い代わりに安定性が低いという特徴を持っています。
棘上筋は関節窩(かんせつか)に上腕骨頭を動的に安定させている役割を果たしているため、この筋肉に問題が生じると肩峰下腔における腱炎や棘上筋の腱の部分が骨と骨の間にはさまってしまう傷害などを引き起こしてしまうことがあります。
そのためしばしば四十肩、五十肩、回旋筋腱板損傷、脱臼、投球障害肩など、肩にまつわる傷害が発症しやすい場所でもあります。

【広背筋】

広背筋は、大円筋・大胸筋と連動して目の前の物を引き寄せる・物を脇に挟むなどの動きを担っていて、他にも、広背筋は肩甲骨の動きを司る筋肉に属します。

さらに、上腕骨の上部についているため硬くなると腕を上に挙げる、前に出すなどの動きの妨げになることがあります。

【胸筋群】

大胸筋の上部は腕を斜め上方向に押し上げる動きや腕を持ち上げる動きに作用しています。さらに、腕を真横に挙げた状態から内側に閉じる動きを大胸筋中部、腕を斜め下に向けて押し下げる動きを大胸筋下部が担っているので、肩関節を起点に腕をあらゆる方向に動かす筋肉です。

大胸筋の奥にあるため外からは分かりにくい部位ですが、肩甲骨を引き下げたり呼吸時に肋骨を引き上げたりするはたらきがあります。

小胸筋は肩甲骨を引き下げたり呼吸時に肋骨を引き上げたりするはたらきがあります。小胸筋の柔軟性が失われてしまうと肩甲骨の動きが硬くなるだけでなく、巻き肩や肩の不快感を引き起こします。

このように五十肩は様々な筋肉の影響を受けるので難しい疾患なのです。

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